food creation

Works

Share :

ルネ・マグリットのディナー for DELVAUX

26 27 28 November 2015
Venue : DELVAUX Omotesando
Client / Collaborator : DELVAUX
Produce : HiRAO INC.
Photo : Masayuki Saito

食は詩的であるべきであり、詩的な食はあじわう者に不思議な感情を呼び起こす。

1829年創業のベルギーのラグジュアリーレザーグッズブランドDELVAUXの主催により行われたディナー。
画家 ルネ・マグリットをテーマにしたコレクションの発売を記念して、マグリットの作品世界を表現した。

20世紀の「イメージの魔術師」と呼ばれたベルギーのシュールレアリスムの巨人である画家、ルネ・マグリット。
このディナーでは、マグリットの作品性の本質を食で体感するため計画されました。

「食は詩的であるべきであり、詩的な食は、あじわう者に不思議な感情を呼び起こすものである。」

フードクリエイションが今まで活動を通じて見いだしたこの真実は、マグリットの謎掛けのような題名とともに、絵の前に立つ者を戸惑わせ、考え込ませる作品世界との類似点が多い。たとえば...

■本来あるはずがない場所に物を置いてその関係性を鑑賞する。
■実際よりもはるかに大きく、あるいは小さく描かれた対象を鑑賞する。
■見えるはずのものが隠れて見えない、隠れて見えないはずのものが見えている状況を鑑賞する。

これらの作為的な違和感や不思議さは、ルネ・マグリットが作り上げたシュールレアリズム的表現手法で「デペイズマン」と呼ばれている。現代では当たり前の、いわゆる「不条理」な表現は、様々な表現に大きな影響を与え続けてきた。マグリットの絵画は「不条理の提示」を通じて、鑑賞者がものごとの本質を問うための「きっかけ」を提示しているとも言える。

マグリットが一貫して鑑賞者に「言葉とイメージ」の問題を突きつけてきたという点で、「言葉とあじわい」の問題を提示してきたフードクリエイションの活動と一致するのは「本質を問う」体験を創造するということ。フードクリエイションはルネ・マグリットの7作品と同タイトルのメニューでコースを構成して不思議な「デペイズマン」をちりばめた料理をあじわい尽くすディナーを計画した。

*The Heartstring(心の琴線)1960年
*Elective Affinities(選択的親和力)1933年
*The empire of Light (光の帝国)1953-54年
*The Natural Graces(自然の優雅)1963年
*This is not an apple(これはリンゴではない)1964年
*The married priest (結婚した司祭)1960年
*The son of man (男の息子)1964年