food creation

Works

Share :

ゲリラレストラン at 近江町市場
好奇心のあじわい 好奇心のミュージアム

14 15 March 2015
Venue : Ohmicho Market, Kanazawa
Collaborator : Ohmicho Market, the University of Tokyo
Produce : 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa
Music : Tomomi Oda
Photo : N・O・D Noda Kei
Movie Director : Seiichi Hishikawa
Director of Movie Photography : Seiichi Hishikawa, Yutaka Obara, Kazuhiro Morisaki
Film Production : DRAWING AND MANUAL
Movie Production : 21st Century Museum of Contemporary Art Kanazawa

金沢市の台所として永く市民に愛されている近江町市場でのゲリラレストラン。

2015年3月14日、北陸新幹線開業の日に、金沢の食文化を象徴する近江町市場で行われたゲリラレストラン。加賀藩の時代から食に並々ならぬこだわりと美意識を持ってきた金沢市民にとって、この市場は単なる「生鮮市場」ではない。江戸時代から市民のために永々と魅力ある食材を提供してきた近江町市場は、食材を美しく魅せる伝統工芸品と、加賀料理・和食の根本を形作って来た場所でもあるからだ。北陸新幹線開業とともに、世界に向けて開かれた金沢。この街の食文化発信源である近江町市場でゲリラレストランを開催出来たことはフードクリエイションにとって重要な機会となった。

おいしさでもない、空腹を満たすでもない、あらたな食の価値をもたらす感情のテイストをフルコースであじわうための宴。金沢21世紀美術館 開館10周年企画「好奇心のあじわい 好奇心のミュージアム」の「まちなかプログラム」として実施され、企画のクライマックスとなった。

----------------------------------------------------------------------------------------------------
金沢21世紀美術館は、2014年10月9日に開館10周年を迎えました。この「好奇心のあじわい 好奇心のミュージアム」は、10 周年の「好奇心の祝宴」をクライマックスに、1年を通して「食」をテーマにした長期プログラムとして展開いたしました。10 月以降は、まちなかプログラムとして、近江町市場商店街振興組合と共同でゲリラレストランを実施するという地域との結びつきも見られました。

金沢では2013 年に「金沢の食文化の継承及び振興に関する条例」が施行されるなど、近年、「金沢の食」は大きな注目を集めています。伝統と革新のまち「金沢」で新たな「食」の価値観を提示したこのプログラムは、まさに金沢21世紀美術館らしい活動のひとつだと言えるでしょう。また、金沢21世紀美術館が10 年間ぶれることなく活動してきたミッションのひとつに「まちに活き、市民とつくる、参画交流型の美術館」があります。本プログラムでは幅広い世代のボテンティアメンバーが参
加し、活動を盛り上げてくれました。美術館とアーティストと市民がともに成長し、ともにつくりだす活動は、まさに金沢21世紀美術館がこの10 年間取り組み、育ててきた、新しい時代の美術館のあり方です。北陸新幹線が開通し、金沢21世紀美術館は金沢を代表するランドマークとして重要な使命を帯びています。まちとひととをつなぐコミュニケーションの中心として、今後も最新の表現を紹介してまいります。最後になりましたが、展覧会を実現するにあたって多大なご協力をいただいた関係各位に深く感謝を申し上げます。
秋元雄史 / 金沢21世紀美術館 館長